日記

都心のセミについて考える

01_はじめに

まだ7月の半ばだっていうのに、すっかり暑くなって、セミがたくさん鳴いてるね。我が家の団地はセミが特に多い気がするよ。

お、ニイニイゼミの幼虫だ!抜け殻じゃないやつ初めて見たわ!よし、今日はセミの羽化の観察とセミについての勉強をしてみよう!

今回の記事では、「セミ」について理解を深めていき、「共生」について、考えていきたいと思います。

02_ニイニイゼミの羽化

ツイッターに上げたものです。なかなか神秘的です。動画は100倍速。

03_セミの一生

有名な話ですが、地上に出てきた成虫の命は2週間ほど。その短い期間に懸命に子孫を残します。応援したくなりますね、がんばれ!

また、幼虫が地中で過ごす期間は、むかしは5~7年と考えられていたようですが、最近の研究では2~5年ということがわかってきたようです。(参考図書:都会にすみついたセミたち/武田晋一・海野和男/偕成社)

04_都心のセミについて考える

まずは図書の引用から。

僕は子どものころから都心にすんでいたけれど、むかしは、ミンミンゼミはなかなかみつからなかったよ。25年くらい前から、ミンミンゼミはふえだした。都会の木の多くは公園の木か街路樹で、公園や道路を作るときに新しく植えられたものなんだ。ケヤキやホルトノキなど、セミが好きな木が、たまたま都会に多く植えられたんだと思う。

(都会にすみついたセミたち/武田晋一・海野和男/偕成社)

東京のミンミンゼミも街路樹とともに運ばれてきたんだと思う。千代田区は、戦争中の空襲で木が焼けてしまい、その後、別の場所から運ばれたサクラやケヤキが街路樹として植えられたんだ。ミンミンゼミが多い場所から買ったんだろうね。

(都会にすみついたセミたち/武田晋一・海野和男/偕成社)

上の引用は東京の話ですが、我が家の団地(横浜市の北の方)にもミンミンゼミが多い気がします。築40年以上の緑豊かな古い団地です。我が家の近くでミンミンゼミが昔から多かったのか、私はまったく知りませんが、団地造成やまちづくりの際、ミンミンゼミが多い場所から公園の木や街路樹が買われ、植えられたのかもしれません。

一方でこんな引用も。

つまりせっかくうっそうとしていた木立を切り払い、地面を掘り返して、巨大な団地を建てたりすれば、あとでいくら団地内の公園として若い木を植えてみても、セミはまったく残りません。

(セミの生態と観察/橋本こう(さんずいに合)二/ニュー・サイエンス社)

セミの子は数年にわたり木の根についていて、自由に遠くへ移動することができないので、何年にもわたって繁殖を繰り返していたセミの生活史のサイクルは、そこでぷつんと絶たれてしまうわけです。

(セミの生態と観察/橋本こう(さんずいに合)二/ニュー・サイエンス社)

団地造成といった一大プロジェクトの際、大企業は「虫たちとの共生」なんて、これまでは全く考えないできたでしょう。我が家の団地では、そういうことにならず、少なくともセミたちにとっては「楽園」であり、その点、個人的にはとてもよかったと思ってます。

05_ニイニイゼミについて

ミンミンゼミもアブラゼミもそうだけど、都会に多いセミは、明るい場所が好きだね。反対に、ニイニイゼミは林の中など、少し暗く、土がしめっている場所を好むから、都会のひらけた場所は、明るく、乾きすぎているんだと思う。それでニイニイゼミは、都会から少なくなったんだろうね。

(都会にすみついたセミたち/武田晋一・海野和男/偕成社)

我が団地では、ミンミンゼミも多いけど、びっくりするくらい、ニイニイゼミが発生します。私はこれまでニイニイゼミをまともに見たことがなかったので、引っ越してきて、当時、感動を覚えたものです。我が団地は緑も多く、ジメっとした環境もあるので、きっと過ごしやすいのでしょう。また、「セミはもぐらが天敵」という記載もあり、地面の固い都会はもぐらがいないので、セミには適した環境、との記載もあり、なるほどな、と思いました。

06_さいごに

昆虫は、種類によって、すむ自然の環境がかぎられています。さまざまな虫が、林や草原、水辺、あるいは町なかと、それぞれに適した環境をえらんで、くらしています。
いっぽう、人間はどうでしょう。人間はすむ環境をえらびません。環境を自分たちでつごうのいいように変えればよいからです。人間は、すむためだけではなく、さまざまな目的のために環境を変えてしまいます。
ここにあることがおこります。すむ環境がかぎられている虫たちは、人間が環境を変えてしまうことで、すみにくくなって減ってしまったり、ぎゃくにすみやすくなってふえたりしてしまうのです。虫たちの生活は、人間にふりまわされているといえるでしょう。

(都会にすみついたセミたち/武田晋一・海野和男/偕成社)

パパはセミに限らず昆虫が好きだから、人間の都合で、虫たちが増えたり減ったりするのは、嫌なんだ。
といっても、今から人間が太古の大自然の中での生活に戻るのもすごく大変だし、きっと恐ろしく怖いものだと思う。
今の時代は、人間が虫(や人間以外の生き物)たちの事を全く気に止めないで、人間本意でやりすぎちゃっている時代だと思うんだ。

だから、これからの時代は、虫たち側にちょっとでいいので寄り添って、人間の欲を少しだけ我慢して。そうすることで、お互いが住みやすい「共生の世界」にちょっと近づけるんじゃないかな、パパはそんなふうに考えている。