「ピザの味、知ったヒグマは街へ」
ピザ!? 熊が!?
今朝(2023年9月26日)の朝日新聞(一面)の記事である。
https://www.asahi.com/articles/DA3S15751726.html
ヒグマのような野生動物は、警戒心が強く、本来、めったに人家の方へ近寄らない。
しかし、一度「人間の食べ物の味」を知ってしまうと、その美味しさが忘れられず、危険を犯してでも、人間の前に現れるようになる。
そうなってしまうと、人間側が危ない。もう射殺の道しかないのである。
今回のピザヒグマも、過去の例に漏れず、同じ運命をたどり命を失った。かわいそうだが仕方ない。
人間と野生動物では食べ物は異なる。しっかり線引きを。
人間と(野生)動物では、食べ物が異なる。そこはしっかり線引きしておかないといけない。
若い頃、ヒグマの生息地である羅臼岳へ登ったことがあるが、テント場では、食料はすべて鋼鉄製のフードロッカーへしまうルールとなっていた。
もちろん、ヒグマ対策のため。
登山は人間の方から熊の住む領域へお邪魔させてもらい、自然を楽しむもの。人間の食糧の味は絶対に教えてはいけない。
ところで、うちで飼ってるセキセイインコも人間の味を覚えてしまった。
人間のご飯中に、鳥かごから出していたら、味噌汁を飲んでしまい、以来、しょっぱいものが大好きになり、狂うように、人間のご飯を狙うようになってしまった。
今は、ご飯中にインコを出さないようにしているが、最近、原因不明の体調不良(ゲボゲボする)になる。
個人的には塩分の取りすぎだと思っており、人間の味を覚えさせてしまったことを悔いている。
里山の復活。観光と絡めて。
野生動物と人間の暮らしとの緩衝材として、昔から「里山」は重要な役割を担ってきた。
ここから先は人間の住む世界。君たち野生動物の住む世界じゃないよと。これより先には入ってくるなと。
近年は過疎化も進み、里山が荒廃し、耕作放棄地の増加などで、人間と野生動物との境界線が曖昧になってきている。
また、放棄された生ごみや放置された果物など、人間の食べ物がクマを引き寄せる原因となる。
観光地作りと合わせて里山作りを推進。
僕は、何も「今地域が大変だから、優秀な人材に集まってほしい」と言っているのではない。伝えたいのは、むしろまるっきり逆で、「今、地域がチャンスだらけだから、面白人生を歩みたい人は集まれ〜!」なのだ。地域に眠っているチャンスを拾えるかどうかは、その人の経験とセンスにかかっている。
「ビジネスパーソンの新・兼業農家論/井本喜久/クロスメディア・パブリッシング」
これからの時代。地方で僕らができること、やるべきこと、実はたくさんある。耕作放棄地を復活させ、野生動物との緩衝材としての里山を復活させたりとか。
やりがいもあるし、楽しそう。でも一歩が踏み出せない。僕もそう。
結局、多くの人が地方に興味はあるけど、仕事がない、との理由で移住に抵抗を持つ人は多いと思う。
僕の考えは、観光地作り(観光コンテンツ)と合わせて里山作りを進めていくこと。
耕作、里山、そこに棲む人々の営みとかも含めて、観光コンテンツになり、その周りで経済が動き、仕事が生まれる。
当たり前の日本の暮らしと思えるものが、実は、外国人観光客にとって、とても新鮮で、人生観を変えるワンシーンになることだってあると思う。
古民家を改修して、そこに泊まってもらったり、とか。
さいごに 〜「もののけ姫」を見直したい〜
こんな記事を書いていたら「もののけ姫」を思い出し、見直したい、という気持ちになった。
自然と人間が対立せずに、共存するのはとても難しいこと。そこで思考停止にならず、なんとか試行錯誤しながら、共存への道を、みんなで考え続ける必要があるのだと思う。
これからの未来のために。